競艇・ボートレースには「フライング」が存在します。レース本番でフライングをしてしまう選手も珍しくありません。

今回は、競艇のフライングの基本情報とフライングをしてしまった時の罰則(ペナルティー)をまとめました。

結論から言うと、スタートのフライングは舟券の払い戻しが行われます。

競艇はフライングスタート方式を採用している

競艇は、陸上や競馬等のように「よ~い、ドン!」でスタートをするのではありません。

「フライングスタート」と呼ばれる他の競技ではほとんど見かける事のない珍しいスタート方式が採用されています。

ピットアウトからスタートまで1分45秒の時間があり、その間を「待機行動」と呼びます。

ピットに停められたエンジンがかかっている挺(ボート)に乗った選手は、出走の合図と同時にピットから離れます。

水面に出た後の選手同士は、スタートまでの時間にコース取りやスロースタート・ダッシュスタート等の駆け引きを行います。

その間、各選手はスタートまでの時間を大時計を見て確認します。

大時計は、1回転1分の白針が回った後に1回転12秒黄針が回ります。黄針が0を指してから1秒以内に各選手はスタートラインを越えるといった流れがフライングスタートとなります。

競艇でのフライングの定義とは?

競艇のフライングは「大時計が0秒を指す前にスタートラインを超える」事です。

どれだけ経験豊富な選手でも極稀にフライングを起こしてしまいます。

一方、大時計の針が1秒を過ぎてからスタートラインを越える事は「出遅れ」と呼びます。

どちらも「スタート事故」として扱われます。

フライングをしてしまう原因とは?

競艇のトップレーサーA級の選手や10年以上の長い経験がある選手でもフライングをしてしまう事があります。

各レース場の広さだけではなく、風の強さ・向き、さらに波の高さ等、毎回レース環境が異なる事が原因として挙げられます。

強い風が吹きやすかったり、潮の満ち引きがあるレース場も存在します。

競艇は、スタートが0秒に近ければ近い程、スタート直後のレースを有利に進められるのでギリギリのスタートを試みた結果フライングしてしまうという選手がほとんどです。

フライングが起きたレースの舟券はどうなる?

フライングをした選手は、返還欠場となりレース直後にレースからいなくなります。

「買った舟券が無駄になるの!?」と心配する人も多いと思います。

しかし、競艇では「フライング・出遅れをした選手(挺)に絡む舟券は全額返還」というルールがあります。

舟券を購入する人にとっては、少しホッとする救済があるので自分が買った舟券の選手がフライングをしたからといってすぐに舟券を捨てる事がないようにしましょう。

※スタート事故に絡む舟券は全額返還されますが、スタートした後の転覆・落水等の事故は返還される事はありません。

フライングは賞典除外

フライングをした選手に最初に行われるペナルティーが「賞典除外」です。

出場している大会でどれだけ良い成績を残していてもその大会では準優勝戦・優勝戦に出走する事がなくなります。

また、翌日以降の出走レースは基本的に1日1走で最外の6号艇となります。

※1日2出走で1走目にフライングをした場合は、2走目もあり枠順も出走表通りとなります。

非常識なフライングの場合は即日帰郷

スタートタイミングより「0.05秒」以上早いタイミングのフライングを「非常識なフライング」と呼びます。

非常識なフライングなフライングの場合は、大会初日であっても即日帰郷となります。

また、非常識なフライングでない場合でも同一大会で2回のフライングをした場合も即日帰郷となります。

フライングをした選手は一定期間レースに出場出来ない

フライングをした場合、出場が決まっている直近数大会を終えた後に「フライング休み」を取る事が義務付けられています。

フライング休み期間は、レース出場による賞金等が入って来なくなるので無収入となります。

また、フライング休みを消化するまではフライングは蓄積されていきます。フライング回数が多くなる程、ペナルティーは厳しくなります。

1回30日間
2回60日間
3回90日間
4回180日間

※フライング休みは合算されていきます。例→フライング2回の場合は「30日間(1回目のペナルティー)+60日間(2回目のペナルティー)=90日間のフライング休み 」となります。

フライングを3回以上してしまうと半年以上収入がない状態となり、中にはアルバイトをして収入を得ていたという選手も存在します。

フライング4回目は実質引退になる

4回目のフライングは「選手出場あっせん保留基準第8号」と「競争の公正確保及び競技水準の向上化に関する規定」により、引退勧告が行われます。

フライングを2回してしまった選手は、それ以上フライングすると引退になる事からスタートが慎重になります。

フライング回数のリセットタイミング

引退の危険もある競艇のフライングですが、半年に1回、5月1日と11月1日に回数のリセットが行われます。

フライング回数はリセットされても、消化していないフライング休みは残るのでしっかりと消化する必要があります。

事故点20点の重圧

競艇では半年かけて行っている級別審査期間中の事故率(事故点/出走回数)が「0.70」を超えてしまうと来期のクラス(級)がB2級になります。

B2級は、グレードの高い大会に出られないだけではなく、斡旋数も少なくなるので収入が減ってしまいます。

収入に直結する事故点の中でもフライングは点数が最も大きくなっています。

優勝戦以外のフライングが20点、優勝戦でのフライングは30点となります。
フライング1回であれば、残りのレースを違反・事故なく走れば事故率が0.70を超える事は滅多にありません。

しかし、フライングが2回になるとフライング休みで出走出来るレースが大幅に減るので挽回する事が難しくなります。

また、事故点は事故率とは別に「選手の勝ち点から引く」といった特徴もあります。

フライングの20点は、1着2回分の点数を失う事になるので増えすぎるとA級になる可能性が低くなるといった特徴もあります。

SGとG1の準優勝戦、優勝戦はさらに厳しいペナルティーが課せられる

数多くある競艇の最高峰SGの準優勝戦・優勝戦でフライングをしてしまうとさらに厳しい罰則が課せられます。

SG準優勝戦でのフライングは、4節間のSG出場除外に加えて3ヶ月のプレミアムG1・G1・G2への出場も除外です。

一方、SG優勝戦のフライングは、1年間のSG出場除外、6ヶ月のプレミアムG1・G1・G2への出場除外です。

SGやG1は、他の大会と比べると賞金が10倍以上も変わってくるので選手にとって大きな痛手となります。

プレミアムG1・G1・G2の準優勝戦・優勝戦のフライングの場合は、SGへの出場ペナルティーはありませんが、

準優勝戦で3ヶ月のプレミアムG1・G1・G2の出場除外
優勝戦で6ヶ月のプレミアムG1・G1・G2の出場除外
となっています。

グレードの高い大会の準優勝戦・優勝戦でフライングをしてしまうと有名になるチャンスや大金を得るチャンスを逃してしまう事になります。

まとめ

競艇のフライングは大時計の針が1秒を越えてからスタートラインを通過する事です。

競艇ファンに対しては、フライング挺に絡む舟券の全額返還やオッズの変動といった影響しかありません。

しかし、選手側には大幅な収入の減少や一定期間レースに出場出来ない等のかなり重いペナルティーが課せられます。